「介護職が向いていないのでやめたい・・・・・・」
「やめたいと思ったとき、他の人はどうしているんだろう?」
「介護職をやめたいけど、後悔しない転職のポイントは?」
このような悩みをお持ちではありませんか?
筆者もかつて介護職で働きながら同じ悩みを抱えていたので、気持ちはよく分かります。
筆者は介護職をやめたいと思った後、自分の希望や優先順位を整理して、条件に合った転職先を見つけることが出来ました。
今回は、実際に介護職から他職種に転職した経験のある筆者が、以下の項目をくわしく解説します。
- 介護職をやめたいと思ったら情報収集から始めよう
- 介護職をやめたくなる5つの理由
- 介護職をやめたいと思ったときの対処法3選
- 介護職をやめたいと思った筆者が転職後に感じた3つのメリット
- 介護職をやめて後悔なく転職する方法3ステップ
この記事を最後まで読んでいただくと、介護職をやめたいと思ってから後悔しない転職を実現するまでの流れが分かります。
筆者の体験談も紹介しますので、介護職をやめたいとお悩みの方はぜひ参考にしてください。
介護職をやめたいと思ったら情報収集から始めよう
介護職をやめたいと思ったら、まずは自分のやめたい理由や持っているスキルを洗い出し、それに見合った情報収集をすることから始めてください。
勢いですぐ退職してしまうと、収入がなくなる焦りから自分に合わない職場に転職し、後悔するケースがあるためです。
実は、介護職を続けるメリットも主に3つ存在します。
- 雇用が安定している
- 離職率が低い
- 給与や待遇が改善する可能性がある
高齢化が進む日本において、今後介護職の需要はますます増加することが見込まれます。
一般的に、介護職は給料が安いという印象ですが、国の政策により処遇が改善される可能性も指摘されています。
また、介護職は利用者から感謝される場面が多く、やりがいを感じる人も多いです。
介護労働安定センターの「令和4年度 事業所における介護労働実態調査結果報告書」によると、介護職(訪問介護・介護職員)の離職率は14.4%です。
全産業の離職率が15.0%であることと比較すると、介護職の離職率はさほど高くないと言えます。
自分がやめたい理由や介護職のメリットも理解したうえで転職するか否かを判断すると、後悔のない選択ができるでしょう。
介護職をやめたい5つの理由
令和4年度介護労働実態調査による、介護職から別の介護職へ転職した経験がある人の離職理由をランキングにまとめました。
- 1位:職場の人間関係に問題があったため(27.5%)
- 2位:法人や施設・事業所の理念や運営の在り方に不満があったため(22.8%)
- 3位:他に良い仕事・職場があったため(19.0%)
- 4位:収入が少なかったため(18.6%)
- 5位:自分の将来の見込みが立たなかったため(15.0%)
それぞれの詳細を順に見ていきましょう。
1位.職場の人間関係に問題がある
介護職は、相性の合わない職員がいると業務がスムーズに進まず、ストレスを感じやすいです。
何故なら、介護職は入浴介助やレクリエーションなど、複数の職員でコミュニケーションを取りながら業務にあたる必要があるからです。
利用者が安全に過ごすため、介護職同士だけでなく看護師や理学療法士など他職種との連携が必要な場面も多々あります。
また、介護職はさまざまな年代、国籍の人が働く環境であるため、お互いの価値観を擦りあわせるのが難しく感じる場合もあります。
慢性的な人手不足により、人材育成の環境が整っていないことも人間関係に問題が生じる一因と言えるでしょう。
2位.施設や事業所の経営方針への不満がある
自分が望む介護と経営側の価値観が一致しないと、やりがいを感じられずやめたい気持ちが生じやすくなります。
「就職前に聞いていた話と実際の運営方針が異なっていた」
「現場の声や改善案を経営側に聞いてもらえない」
このような経営側と現場側とのコミュニケーションの不和を理由にあげる人も多いです。
経営側と現場側との意思疎通が取れていないと、以下のような疑念を抱くことも考えられます。
- 利益優先で経営しているのでは?
- 特定の人ばかり贔屓しているのでは?
経営側に不満を抱えたままだと、利用者に満足いく介護を提供できないと感じてモチベーションの低下につながるのです。
3位.給料が安い
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、介護職の平均年収は約362.9万円、平均月収は約25.6万円となっています。
介護職は身体的、精神的に負担の大きい仕事ですが、他の職種と比較して給与が低い傾向にあります。仕事内容に対して給料が見合わないと感じる人が多いようです。
結婚や出産などのライフステージの変化に伴い、今の給与での生活に不安を感じて退職を考えるケースもあります。
4位.他に良い仕事や職場が見つかった
明確な志望動機を持たず介護職に就職した人は、そもそもの介護職へのモチベーションも低くなります。
介護職よりも高い給与を得られる他職種に対して、憧れを抱く人も少なくありません。
また、介護職は好きだが給与や経営方針に不満がある場合、条件に合う他の介護施設を見つけて転職するケースもあります。
5位.将来の見込みが立たない
介護職は今後も安定的な雇用が見込まれる職種ですが、AIやロボットの導入などにより、自身の将来性に疑問を抱く人もいます。
介護職を長く続けるのは、身体的な負担の大きさから難しいと感じる人も多いです。
そのような場合、介護以外のスキルを身につけるため、早い段階でのキャリアチェンジを決断する人もいます。
介護職をやめたいと思ったときの対処法3選
介護職をやめたいと思った勢いで、すぐに退職するのはおすすめしません。
まずは自分のやめたい理由を明確にしたうえで、信頼できる人の意見も聞くと感情的にならず冷静な判断ができます。具体的には、以下の3つの対処法を実践すると良いでしょう。
- 自分のやめたい理由を明確にする
- 家族や友人など信頼できる人に相談する
- 職場に待遇や体制の改善を求める
ここからひとつずつ解説していきます。
1.自分のやめたい理由を明確にする
「介護職をやめたい」と言っても、その理由は人によりさまざまです。まずは自分の中で、以下の2点を明確にしましょう。
- 今の仕事にやりがいを感じているか
- 介護職で他の職場に転職したいか、それとも介護職以外の職場に転職したいのか
今の仕事にやりがいを感じているなら、上司に相談したりしばらく休養したりすることでモチベーションが戻るかもしれません。
状況によっては、今の職場で働き続けることが良い選択である場合もあります。
一方で、介護の仕事そのものに魅力を感じていないのであれば、介護以外の職種への転職を検討した方が良さそうです。
このように、自分がやめたい理由や不満な点を明確にすることで次に取るべき行動が変わってきます。
2.家族や友人など信頼できる人に相談する
一人で悩んでいると視野が狭くなり、必要以上に深刻になってしまうこともあります。
肩の力を抜いて客観的な視点を得る意味でも、信頼できる人に話を聞いてもらうことは有効です。
また、転職活動をすると一時的に収入が下がる可能性もゼロではありません。
事前に家族に相談して理解を得ておくと、安心して転職活動に臨めますよ。
お互いの関係性によりますが、早い段階で職場の上司に相談すると引き止めにあう場合もあります。
まずは家族や友人など、職場に直接関わりのない人に相談すると良いでしょう。
3.職場に待遇や体制の改善を求める
介護職をやめたい理由が「職場の待遇や体制」のみの場合、直属の上司などに相談することで問題が解決するケースもあります。
介護職の人は真面目で一人で抱え込もうとする人も多いです。
たとえば、労働環境や人間関係で負担を感じる場合、同僚や上司に相談することで部署や勤務を調整してもらえることもあります。
職場に一度提案してみて、それでも環境が変わらなければ転職を検討するのも方法のひとつです。
【体験談】介護職をやめたいと思った筆者が転職後に感じた3つのメリット
筆者は介護職から他職種(コールセンター)への転職経験があります。実際に転職してこのようなメリットを感じました。
- 子どもの体調にあわせて働けるようになった
- 身体的・精神的な負担が減って気持ちに余裕ができた
- 介護職で得た経験を活かして転職できた
それぞれくわしく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1.子どもの体調にあわせて働けるようになった
介護職をしていた頃は、体調不良の自分の子ども(当時3歳)を病児保育に預けて働くこともありました。
職場の慢性的な人手不足が原因で、筆者が休むと職場の人員基準が満たせず、営業できなくなってしまうためです。
調子の悪い子どもを慣れない病児保育へ預けるのは、親子ともに大きな負担でした。
そのため、転職活動では子どもの急な体調不良にも柔軟に対応してもらえるかという点を重視しました。
結果、転職後は落ち着いて子どもを看病できるようになり、職場のご厚意が非常にありがたかったです。
ただし、職場のご厚意に甘えるだけでなく、月に数回は土曜日や祝日に出勤するなど会社に貢献することも常に意識していました。
2.身体的・精神的な負担が減って気持ちに余裕ができた
介護職は利用者の身体介助や車での送迎など、身体的な負担が大きい点は否めません。
また、特定疾患を持つ利用者の体調管理や緊急時の対応など、精神的にも緊張感の高い状態を維持して働く必要があります。
筆者は体力に自信があるタイプではなかったため、転職先はデスクワーク中心の仕事を選びました。
勤務中の心身の負担が軽減され、帰宅後の家事や育児に余裕を持って取り組めるようになりました。
3.介護職で得た経験を活かして転職できた
筆者の転職先はコールセンターです。
コールセンターでの勤務経験はありませんでしたが、介護職を通じてさまざまな年代の人と関わった経験が面接で評価されました。
どのような職業においても、人との関わりは大切です。
介護職の仕事は大変なこともありましたが、確実に自分を成長させてくれ、周囲からの評価につながったのは嬉しい出来事でした。
介護職をやめたい人が後悔なく転職する方法3ステップ
介護職をやめたい人が後悔なく転職するには、自分の性格やスキルを把握して退職までの計画をしっかり立てることが大切です。
今回、退職したいと思ってから自分に合った転職先を見つけるまでの流れを、以下の3ステップに分けました。
- 自分の性格やスキルを把握して優先順位を決める
- 求人票に書いていない情報も把握する
- 転職活動は退職前に始めてボーナス支給後に退職する
各ステップについてくわしく解説しますので、介護職をやめて転職を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
1.自分の性格やスキルを把握して優先順位を決める
自分の性格や体質により、働きやすい職場は異なります。その一例を表にまとめました。
性格と体質 | 向いている職業 |
---|---|
人と関わるのが好きで体力もある | 飲食業・サービス業など |
人と関わるのは好きだが体力はない | コールセンター・カウンセラーなど |
人と関わるのが苦手だが体力はある | 電気などの検針員・清掃スタッフなど |
人と関わるのが苦手で体力もない | 工場のラインスタッフ・動画編集など |
自分の性質を改めて把握することで、働きやすい職場への転職が実現しやすくなります。
シフトの融通が効きやすい職場が良いか、収入アップが叶う職場が良いかなど、働くうえでの優先順位も明確にしておきます。
介護以外で持っている資格やスキルがあれば、アピールポイントになるのでぜひ洗い出しておきましょう。
2.求人票に書いていない情報も把握する
求人票の内容をしっかり確認することは大前提として、稀に求人票に書いてあることと実際の待遇が異なる場合もあります。
実際に働いている人の話や、クチコミサイトの声も参考にすると転職後の後悔が起こりにくくなります。
面接後に現場を見学させてくれる施設もあるので、そこで全体の雰囲気や利用者、スタッフの様子などを確認するのもおすすめです。
3.転職活動は退職前に始めてボーナス支給後に退職する
退職後に転職活動を始めると、収入がなくなる不安と焦りから転職に失敗したという声も多く聞かれます。
自分が希望する職場の求人が、転職活動を始めてすぐに現れるとは限りません。
退職前から転職活動を始めることで、自分に合った職場を落ち着いて探せます。
また、退職のタイミングによってはボーナスが減額される職場もあります。
ボーナスは労働に対する正当な報酬なので「もうすぐ退職するのに申し訳ない・・・・・・」と引け目を感じる必要はありません。
職場規定を確認のうえ、ボーナス支給後に退職できるよう計画すると、退職後の生活の不安が和らぎます。
ただし、退職を希望する理由が「心身の不調」「職場でのいじめ」などの場合は、留まることで事態が悪化する恐れもあります。
このケースに該当する際は、速やかに職場へ退職の意思を伝え、退職の手続きを進めることが望ましいです。
今回の記事を参考に、自分が介護職をやめたい理由や持っているスキルを明確にして、後悔のない転職を実現しましょう。